先天性肺気道奇形(CPAM)
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先天性肺気道奇形(CPAM)とはどのような病気ですか?
先天性肺気道奇形(Congenital pulmonary airway malformation : CPAM)とは、気管支から肺の形成異常により肺の一部が嚢胞状になる良性腫瘍で、嚢胞が大きいものから非常に小さいものまであります。胸腔内で心臓や正常な肺を圧迫するために、胎児期や出生後にさまざまな問題を引き起こすことがあります。

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先天性肺気道奇形(CPAM)は胎児期にどのような問題を起こしますか?
CPAMによって起こる問題はCPAM自体の大きさに依存します。小さなCPAMは胎児期に問題を起こす事はほとんどありません。しかし大きいCPAMは正常な肺を圧迫して肺低形成を起こしたり、心臓を圧迫して胎児水腫(腹水、胸水、心嚢液貯留、皮下の浮腫が主な所見です)となったりすることがあります。また食道を圧迫して胎児の嚥下を妨げてしまうと羊水過多となり、早産や破水の原因にもなります。
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先天性肺気道奇形(CPAM)の大きさはどのように評価するのですか?
CPAMの大きさ(容量)は、超音波検査から得られた測定値を用いて、次の計算式によって算出します。
CPAMの容量(cm3)=腫瘍長径(cm)x 短径(cm)x 高さ(cm)x 0.52
CPAMの大きさを妊娠週数や胎児の大きさによらず評価する指標としてCPAM Volume Ratio (CVR)が用いられます。CVRは次の計算式によって算出します。
CVR=CCAMの容量(cm3)/頭囲(cm)
過去の報告からCVRが1.6以上の場合には高率に胎児水腫を発症するため、特に注意深い観察が必要です1)。
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先天性肺気道奇形(CPAM)の治療方針は?
小さなCPAMは胎児期や出生時に問題を起こす事はほとんどないため、特に胎児治療の必要はなく経過観察のみで管理可能です。CPAMが大きい場合は、出生直後から人工呼吸管理が必要になる可能性が高く、場合によっては緊急手術が必要になることもあるため、小児外科医が緊急時にも対応できるような三次医療施設での分娩が勧められます。
胎児水腫を認める場合は、胎児死亡や新生児死亡のリスクが高いと考えられるため、早期娩出や胎児治療が必要になります。嚢胞の大きなCPAMでは、嚢胞−羊水腔シャントの留置2)3)、嚢胞が小さいCPAMでは経母体的に副腎皮質ホルモン(ステロイド)の投与4)が検討されます。
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参考文献
- Crombleholme TM, Coleman B, Hedrick H, et al: Cystic adenomatoid malformation volume ratio predicts outcome in prenatally diagnosed cystic adenomatoid malformation of the lung. Journal of pediatric surgery. 37(3):331-8, 2002
- Litwińska M, Litwińska E, Janiak K, et al. Thoracoamniotic Shunts in Macrocystic Lung Lesions: Case Series and Review of the Literature. Fetal Diagn Ther. 2017;41(3):179-183.
- Muntean A, Cazacu R, Ade-Ajayi N, et al. The long-term outcome following thoraco-amniotic shunting for congenital lung malformations. J Pediatr Surg. 2023 Feb;58(2):213-217.
- David, M., R. Lamas-Pinheiro, and T. Henriques-Coelho. Prenatal and Postnatal Management of Congenital Pulmonary Airway Malformation. Neonatology, 2016. 110(2): p. 101-15.